建設業界において、よく問題になるのが偽装請負ですが、この偽装請負という言葉で表される場面が多様であることがまず問題です。この偽装請負を正面から論じている厚労省などが作成した「労働者派遣・請負契約を適正に行うためのガイド」では、もっぱら労働派遣法による労働者派遣事業と民法の請負契約との対比で説明がされています。
これによりますと、派遣先が派遣労働者に指揮命令関係を有するものが労働者派遣事業、注文者(元請)に直接の指揮命令関係が無いのが請負契約です。
したがって、本来の労働者派遣事業に該当するにもかかわらず、労働3法の適用を逃れるため等を目的として請負契約をすることを偽装請負と称しています。当然ながら、請負契約の形式であっても労働者派遣事業と判断される場合には、それによることになります。
もっとも、労働安全衛生法に基づき、元請が下請の労働者に安全衛生のために必要な事項を直接指示することは、請負契約の範囲内と解されています。
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