公共工事入札では、予定価格以下で最も価格の低い入札者が落札者となります(総合評価落札方式は、価格その他の条件のもっとも有利な者)。もし、この最低価格入札者が複数いる場合には、発注者側の担当者は、直ちにくじを引かせて落札者を決定することになっています(例えば国土交通省直轄工事・競争入札心得9条)。くじの方法はあみだなどによりますが、このくじ引きによる決定方法に対して、民間発注工事では見受けられない方法だとする声が寄せられることがあります。しかし、もし、最低入札価格を提示した入札参加者が複数あった場合、発注者が予定価格以下でありながら再度入札を実施することは、それは「たたき合い」を強要したことになります。落札をするためのたたき合いでは適正な施工が確保できないことから、公共工事入札では、このような場合にはもはや価格での競争は終わっているとして、あとは運任せのくじ引きを採用しているのです。
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