建設業法第41条第2項には、特定建設業者の賃金立替払いの勧告制度が規定されていますが(本メルマガ8月号「知っとく用語解説」参照)、本制度は、厚生労働省が全国の労働基準監督署及び(独)労働者健康福祉機構で実施している立替払い制度です。両者は、類似した印象がもたれやすく、実務ではよく混乱して理解されることが多く見受けられます。
ところで、この未払賃金の立替払制度を発動するための主な要件は、使用者が法律上あるいは事実上倒産したこと、労働者は企業が倒産した6カ月前から2年の間に退職した者であることなどです。立替えをする金額は、未払賃金の8割です。そして立替払いした賃金債権は、労働者健康福祉機構が代位取得し、本来の支払責任者である使用者に求償することになります。
ところで、下請業者などが1日当り幾らという常雇の形で施工現場に入り、その代金が不払いになった場合、当該下請業者が本制度の適用について、労働基準監督署等に相談に行くケースも多いようです。
しかし、雇用契約の成立については相当厳格に運用されていますので、相談のケースに雇用契約とは認められず、ほとんどは下請契約であると判断され、そのため、本制度の対象外として取り扱われることが多くなっています。
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