今年4月から今後2年間適用になるWTO(世界貿易機関)政府調達協定の対象額が決定されました。例えば国発注の建設工事については、前年度までの1件6億9,000万円以上から5億8,000万円以上に引き下げられました。
引下げといっても、元となる国際協定上の適用基準額(例えば、国発注の建設工事で450万SDR)が引き下げられたわけではありません。このSDR(特別引出権)は、日本円や米ドル、ユーロ、英ポンドなどから構成される国際通貨単位です。したがって、今回のように2年前に比べて円高になると、SDR単位当りの円の価値は上昇するため、結果としてWTO対象額が引き下がることになります。厳密にいえばSDRの円に対する価値はいつも変動しているのですが、それでは実務が大変なので2年に一度ある時点の実勢通貨価格でSDRの価値を固定しているのです。
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