協会トピックス

新型コロナウイルス感染症拡大による企業活動への影響に関するアンケート結果

令和2年10-11月実施 〜経営企画委員会・経営実態調査WG〜

1.目的: 当協会は新型コロナウイルス感染症の蔓延拡大を踏まえ、電気設備業界の現状を把握し、必要に応じた対策等を検討するため「新型コロナウイルス感染症拡大による企業活動への影響に関するアンケート」調査を正会員企業対象に実施した。
2.実施日: 令和2年10中旬〜11月末
3.対象企業: 正会員295社(令和2年10月8日現在)を対象
4.回答数: 215社(回収率72.9%)

 設問及びその回答は下記の通りであった。

【設問1】 新型コロナウイルス感染症の拡大により、企業活動に影響を及ぼしていますか。

<結果要約>
企業活動への影響

  • ・影響が出ている・・・・・・・・ 44%
    ・今後影響が出てくる可能性あり・ 35%
    ・影響はない・・・・・・・・・・ 21%
【設問2-1】 設問1で「影響が出ている」とご回答された方へお伺いします。
どのような影響を及ぼしましたか。具体的にご記述ください。

<結果要約>
既に影響が出ている会員の主な状況
 コロナ感染による先行き不透明な経済状況を受け、設備投資の抑制により、受注高、さらには、完成高への減少への業績への危惧がうかがえる。

他の主なコメント

  • 1)業績面
    ・協力会社の経営が苦しくなっている
    ・受注が回復していなければ単価が下がる
  • 2) 現場関係
    ・在宅勤務では書類のやり取り等で業務の進め方で戸惑い
    ・しわ寄せ対応における必要増員の人員確保難により外注単価高騰
  • 3) 営業関係
    ・工事の規模縮小が多く、1件当たりの契約額が減少傾向にある
    ・出張、面談、打合せ等が制限される
    ・資格取得、更新業務停止に伴う影響
【設問2-2】 設問1で「今後影響が出てくる可能性がある」とご回答された方へお伺いします。どのような影響を及ぼすことが予想されますか。

<結果要約>
今後の想定される影響の主な事項
 受注、完成高の落ち込みによる業績への影響の高まり、また現場において人材の調整をする課題を予想する内容が示された。

他の主なコメント

  • 1) 業績面
    ・受注競争激化が進み受注単価が低下
    ・資金調達、運用に不安あり
  • 2)現場関係
    ・しわ寄せ等により工期末に作業が集中するものと予想
    ・感染時の代替人員(施工人員)不足
  • 3) 営業関係
    ・通信SR化工事は増加する
    ・技術者配置の調整難(工期延長、出社制限等)で受注見送りも発生

※通信SRとは、ソフトバンクによれば、SRはセグメントルーティング(Segment Routing)第5世代移動通信システム(5G)のコアネットワークをシンプル化、最適化する新技術。

【設問2-3】 設問1で「影響が出ている」または「今後影響が出てくる可能性がある」と ご回答された方へお伺いします。現場閉所等(作業中断含む)による契約上の影響はありましたか。
  • <結果要約>
    現場閉所等(作業中断含む)による契約上の影響

    影響あり・・・ 28%
    影響なし・・・ 72%
【設問2-4】 設問2-3で「影響あり」とご回答された方へお伺いします。どのような 影響を及ぼしましたか。

<結果要約>
現場閉所等による影響

    • (1) 協力会社への支援の必要性
      当月の出来高が少なく、支払いも少なくなり協力業者の経営をサポートする必要がある
    • (2) 「しわ寄せ」に対する費用
      工程が遅れても竣工は変更なく遅れを取り戻すために作業員の増員など費用増加が予測される
    • (3) 発注者による追加費用負担
      工程遅れなどによる費用増加分を発注者へ求めても追加変更にならない(=受注者の負担)と予想される

他の主な意見

  • ・協力会社の自宅待機による休業補償の対処
【設問2-5】 その他、新型コロナウイルスに関する業務遂行上の問題点や特筆すべき点がございましたらご記述ください。

<結果要約>
業務遂行上の問題点や特筆すべき点
 意見として73社よりいただき、その主な問題点(課題)は下記の通り
(但し、前設問で取り上げた意見などは割愛した)

  • 1)感染対策としての業務形態(時差出勤、テレワーク、在宅勤務、自宅待機)の運用ルール
    作成、就業規則の見直しの必要性
    ・労務管理と評価制度
    ・書類の運行と捺印の不可欠の対応の仕方
    ・協力会社などへの休業補償
    ・通信環境の整備
    ・BCP(事業継続計画)対応
    ・自宅待機時の補償
  • 2)感染時の現場作業対応とその判断実施基準の策定
    ・稼働制限
    ・中断
    ・再開
  • 3) 実際に感染者が発生した場合、想定通りに対応ができるかを懸念
  • 4) 3次下請レベル下へも当社従業員並みの管理を要求され、現場管理コストが上昇
  • 5)濃厚接触者、感染者が発生した場合の対処は様々で、マニュアル・ガイドラインが作りづらい
  • 6)特に一般住宅等への訪問の際に社員が感染予防対策を十分に行って訪問しているこ とをアピールする必要がある
【設問3】 新型コロナウイルス感染拡大による「緊急事態宣言」の発令以降、どのような勤務体系及び通勤体制を実施されましたか。実施された項目と職種についてご回答ください。また、実施された項目において問題点等ございましたら、ご記述ください。

<結果要約>
勤務体系及び通勤体制に関する実施事項
 ・「時差出勤」と「在宅勤務」ともに半数強、一方、実施せずは約2割

【設問4】 その他、新型コロナウイルスに関するご要望やお困り事等、ご意見がございましたら、ご記述ください。

<結果要約>

  • 1) 会員間の感染対策の情報共有の要望
    ・現場、事務所での感染対策事例
    ・在宅勤務導入に必要な準備事項
    ・テレワーク実施のノウハウ
    ・社内感染者判明時の具体的対応事例
  • 2) 感染予防による現場の作業効率の変化にあった工程の見直しの必要性
    ・マスク着用、密を避けた作業による作業環境の悪化による効率低下
    ・出社体制の多様の中、事前確認・調査が限定されるため確認不足となりその対策検討
    ・作業変化による作業時間と工事期間の延長
  • 3) 在宅勤務、時差出勤、テレワークなどを「働き方改革」への取り入れ検討
    ・現状の在宅勤務は「コロナ対策」としての緊急・強制的な色が強いが、テレワークなども「働き方改革」に取り入れる

以上

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