国交省は8月27日、「重点政策2015」を発表した。施策の1つに、社会資本整備の生産性を高める生産管理システムの強化を位置付け、「施工・仕様」「工事関係書類」「成績評定」の3大標準化などを打ち出した。
まず建設現場における主な現状課題を整理した。年間工事量の偏りにともない、閑散期となっている第1四半期の各月に、約50〜60万人の技能者が遊休化していると推計。プロセス間の情報不連続による時間的・経済的な損失例として、土木の設計成果の約4割で施工段階に修正が生じていることを挙げた。
また、大幅な省力化・効率化は、トンネルやダムなど一部の分野に限定されていると指摘。膨大な工事関係書類の作成などに追われ、技術者の約3割が100時間以上の所定外労働を強いられているという。死傷事故が製造業の約2倍に上るなど、他産業に比べて危険な労働環境も課題に挙げている。
整備から維持管理までのシステム全体の生産性向上に当たっては、効率化と高付加価値化の両立を目指す。施策の方向性として、施工・仕様などの3大標準化を提示。過密配筋の解消や高流動コンクリートの活用などによる、コンクリート施工の効率向上などを視野に入れている。
情報化施工も一層推進する。面的な施工管理を可能にする基準類や3次元データを効率的に活用できる環境の整備などを行い、情報化施工の普及拡大を図る。現場での導入効果の検証にも本腰を入れる考え。
引き続き、債務負担行為や繰越制度の活用による施工時期・納期の平準化、週休2日の確保を含む適切な工期設定などに努める。
高付加価値化という観点では、あらかじめ操作や点検の効率化・高度化を考慮した整備、新材料・新工法の採用などにより、インフラの長寿命化や高機能化を図る。
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